予防歯科の重要性
一度むし歯になった歯はもろくなり、再発のリスクが高まります。だから「むし歯になったけれど、治療したから大丈夫」と言うのは大きな間違いです。健康な歯を保つためには、はじめのむし歯を作らないことがとても大切です。しかしむし歯や歯周病は初期段階ではほとんど自覚症状がないので、自分で見つけることが難しいとされています。
エアーモーター
そのため予防歯科の定期検診がとても重要になってきます。検診では口腔衛生のプロである歯科衛生士がむし歯や歯周病になりそうな箇所や、軽度のむし歯・歯周病を発見し、効果的な予防方法や早期治療を行います。
日本では、治療のために歯科医院にいくことがほとんどで、予防のためにいくという人は国民の約3%に過ぎないといわれています。一方、歯科先進国の北欧はじめ、欧米などでは70~90%の国民が予防のために歯科医院を利用しているというデータがあります。また、80歳時点での平均残存歯数は、日本人が5~6本であるのに対し、アメリカ人は18本といわれています。この差はセルフケア以外に、歯科医院での予防処置を受けているかどうかにあるといえるでしょう。
パルスオキシメーター
PMTC
虫歯や歯周病の原因の一つは、プラーク(バイキンのかたまり)ですが、どんなに隅々までブラッシングしたつもりでも、歯と歯の間や歯と歯ぐきの間のプラークはなかなか除去しきれません。そこで虫歯や歯周病予防に効果的なのが、PMTCです。PMTCとは、歯科医師や歯科衛生士が専門の器具を使って徹底的に歯をクリーニングすることで、今まで磨き残しとなっていたプラークをすべて除去できます。
スケーリング
スケーリングとは、「スケーラー」と呼ばれる器具を使用して歯肉や歯周ポケットから歯垢や歯石を除去し、歯周病の発生を防ぐ予防処置です。そして、スケーリング後に行うルートプレーニングとは、スケーリングによって凸凹している歯の表面を滑らかにし、歯垢や歯石が付着しにくくする処置です。
フッ素塗布
歯の表面では、ミネラル分が溶け出したり結晶化したりする再石灰化を繰り返しています。この再石灰化が間に合わずミネラル分が溶け続けると、歯の表面に穴があき虫歯ができてしまいます。予防ケアでは歯の表面にフッ素を塗布することで、歯質の強化を行っています。フッ素にはミネラル分が溶け出すのを抑制し、再石灰化を促す働きがあるため、よく用いられる効果の高い予防方法です。